【レポート】「さかすけ活用説明会」に参加してきました

2025年10月29日(木)、新潟県酒造会館で開催された「さかすけ活用説明会」に参加してきました。

日本酒の製造過程で生まれる副産物である「酒粕」は、これまで新潟県内でも利活用の可能性が注目されてきた食材のひとつです。その中で、高品質な新潟清酒から生まれる栄養と機能性成分が豊富な酒粕に、より高い付加価値を見出し、お子様から妊婦様まで幅広い方々に安心してお召し上がりいただける“新潟発の新しい発酵食品”として誕生したのが、乳酸菌醗酵酒粕「さかすけ」です。

酒粕のフードロス削減にもつながるこの「さかすけ」の活用方法について、当日はさまざまな事例紹介や意見交換、試食会が行われました。

乳酸菌醗酵酒粕「さかすけ」とは

高品質な新潟清酒から製造される栄養・機能性成分たっぷりの酒粕を、独自の乳酸菌、特殊な製法技術を用いることで、栄養・機能性成分を増強した乳酸菌醗酵酒粕のことです。
(引用元:新潟県酒造組合ホームページ

酒粕自体も発酵食品ですが、「さかすけ」はそれをさらに乳酸菌で発酵させた“ダブル発酵食品”。酒粕に含まれる栄養・機能性成分をそのまま活かしながら、より高い栄養価を実現しています。

味わいは酸味が強く、ヨーグルトやサワークリームに近いさわやかな風味。料理やスイーツなど、幅広いレシピに活用できるのが特長です。さらに嬉しいのは、酒粕とは異なり「さかすけ」にはアルコールがほとんど含まれていない点。小さなお子様からご年配の方まで、家族みんなで楽しめる食品として注目されています。

乳酸菌醗酵酒粕「さかすけ」摂取による効果

乳酸菌醗酵酒粕「さかすけ」には、以下のような生理機能が確認されています。

●アレルギー性鼻炎の症状抑制(広島大学によるマウス実験)
●脂質代謝の改善(新潟大学によるラット実験)
●GABA(γ-アミノ酪酸)の生成

これらの研究結果から、「さかすけ」にはくしゃみなどのアレルギー症状を抑える作用や、肝臓中の総コレステロール量・中性脂肪量を減少させる効果が期待されています。
ただし、ヒトへの効果については現在未検証です。

(論文紹介:
Sake Lees Fermented with Lactic Acid Bacteria Prevents Allergic Rhinitis-Like Symptoms and IgE-Mediated Basophil
Degranulation; Biosci. Biotechnol. Biochem., 75(1), 140-144, 2011)

乳酸菌醗酵酒粕「さかすけ」を使用した商品事例

新潟県内でも少しずつ認知が広がっている「さかすけ」。お酒を飲まない方やお子さまでも楽しめる商品として、さまざまな形で活用されています。

今代司酒造㈱「麹・乳酸発酵甘酒 もと」

(画像引用:今代司酒造㈱ホームぺージ
お米と米麹のみで仕込んだ麹甘酒に、「さかすけ」を加えた一品。お米由来のやさしい甘さに、「さかすけ」のヨーグルトのような酸味が絶妙に調和しています。甘すぎず、さわやかな味わいはまるで“お米のヨーグルト”。誰でも安心して美味しく楽しめる、やさしい発酵ドリンクです。

弥彦酒造㈱「やひこじぇらーと」

(画像引用:(一社)弥彦観光協会・弥彦観光案内所ホームぺージ
新潟県産の新鮮な牛乳をベースにしたミルクジェラートに、「さかすけ」を組み合わせた「さかすけじぇらーと」。「さかすけ」のさわやかな酸味がアクセントとなり、チーズケーキのような上品でさっぱりとした味わいが人気を集めています。ノンアルコール・卵不使用のため、小さなお子さまでも安心して食べられるのも嬉しいポイントです。

乳酸菌醗酵酒粕「さかすけ」レシピ

ここまで紹介してきた「さかすけ」は日常的に取り入れることで、高い栄養価をしっかりと体に入れられます。そのまま食べると酸味が強くクセのある「さかすけ」も、料理に活用することで、驚くほどおいしく食べやすい味になります。

今回の説明会では、料理研究家・中島有香先生より下記レシピの紹介と試食提供がありました。

●さかすけキーマカレー
●きのことかきのもとのさかすけツナソース和え
●柿とバナナのさかすけソースかけ

実際に食べてみての感想

酒粕というと、少しクセがあって食べにくいイメージを持っていました。
しかし、実際にご提案いただいたレシピを試食してみると、「本当に酒粕を使っているの!?」と思うほど、味に自然になじんでいて驚きました。ほどよい酸味があるので、酸味を活かした料理や、ちょっとしたアクセントが欲しい料理にぴったりだと感じました。特に、わたしは「柿とバナナのさかすけソースかけ」がお気に入りでした!(スタッフM.K)

料理本来の素材の味をしっかり活かしながら、クセがなく食べやすいのが印象的でした。
それでいて栄養価が高く、無理なく体に良いものを取り入れられるのが嬉しいポイントです。サプリメントのように“頑張って摂る”のではなく、普段の食事の中で自然に摂取できる。そんなハードルの低さも魅力だと感じました。毎日の食卓に取り入れやすい、新しい形の発酵食品だと思います。(スタッフN.K)

中島有香先生による「さかすけレシピ集」は、新潟県酒造組合ホームページからご覧いただけます。分かりやすいレシピ動画も掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

今回の「さかすけ活用説明会」に参加し、改めて酒粕の持つ“無限の可能性”を感じました。現在、酒粕は日本酒の製造過程で生まれる副産物として扱われ、十分な価値がつけられていないというお話がとても印象的でした。

米どころ・酒どころである新潟で、これほど栄養価の高い食材が大量に廃棄されているという現実。だからこそ、「さかすけ」のように酒粕の新たな価値を生み出す取り組みには、大きな意義があると感じます。

少しでも多くの方に、この価値ある食材の魅力を知っていただけるように。私たちも今後、「さかすけ」について積極的に発信していきます!

「さかすけ」の詳細は、ぜひ新潟県酒造組合ホームページをご覧ください。