第1回 課題発掘型インターンシップ「finear LAB.」を開催しました

2025年7月27日(日)、新潟市東区にある「地球の子供食堂と宿題Cafe ひがしく店」にて、1回目となる課題発掘型インターンシップ「finear LAB.」を開催しました。今回のテーマは「子ども食堂」。実際の現場を訪れることで、活動の裏側にある思いや課題に気づきを得る時間となりました。

「子ども食堂はどのようなニーズから生まれたのか?」
「地域とどうつながり、支え合っているのか?」
「この場を未来につなぐために、自分たちに何ができるのか?」

こうした問いを起点に、参加学生は主体的に対話を重ね、気づきを深めていきました。

当日の様子は、写真とともに本記事でご紹介します。さらに、現場の空気感や学生たちの声を伝えるダイジェスト動画も現在編集中です。後日、finear公式Instagramにて公開予定ですので、ぜひフォローして続報をお待ちください。

●プロジェクト概要
株式会社トラストコミュニケーションと新潟国際情報大学 学生有志との産学連携による、食品ロス削減の推進と地域課題の可視化を目的としたプロジェクト。

[プロジェクト名]課題発掘型インターンシップ「finear LAB」
[代表教員]国際学部 国際文化学科 山田 裕史 教授
[参加学生]国際学部・山田ゼミで学んだ3年生5名(※随時増員も予定しています)

【説明会】子ども食堂の取組みについて

はじめに、NPO法人Lily&Marry'S 理事長の山田彩乃さんより、子ども食堂の目的や現状、そして「地球の子供食堂と宿題Cafe ひがしく店」における具体的な取り組みについてお話を伺いました。

学生たちは、事前に“現在の子ども食堂に対するイメージ”について意見を交わしていたこともあり、語られる現場の実情とのギャップに、強い関心をもって耳を傾けていました。

「地球の子供食堂と宿題Cafe ひがしく店」が、なぜ“毎日営業”というスタイルにこだわっているのか。子どもの居場所づくりのその先に、どのような思いや社会的意義があるのか。

山田さんからは、具体的なエピソードを交えながら丁寧にご説明いただきました。実際の事例に触れることで、学生たちは「そんな背景があったのか…」「子ども食堂の役割も、時代の変化とともに広がっているのかもしれない」といった新たな視点や気づきを得る時間となりました。

【交流会】気になることインタビュー

説明の後には、学生たちによる質疑応答の時間を設けました。質問には、理事長の山田彩乃さんに加え、「地球の子供食堂と宿題Cafe ひがしく店」の店長・山田芽衣さんにもご対応いただきました。

「子ども食堂を始めたきっかけは何でしたか?」
「利用している子どもたちの年齢層や特徴について教えてください」
「利用者に制限は設けていますか?」
「“子ども食堂”という名称の名付け親・近藤博子さんが一線を引いたことを、どう受け止めていますか?」

学生たちからは鋭く、そして真摯な質問が多数寄せられましたが、お二人はそれぞれの立場から、一つひとつ丁寧にご回答くださいました。
終了後、学生たちからは「聞きたかったことをすべて聞けた」「現場の想いや実情を直接知ることができて、本当に学びが深まった」と満足そうな声が上がりました。

ざっくばらんな対話を通じて、学生たちの中に「相手を知ろうとする姿勢」や「ともに考える関係性」が少しずつ芽生えていく様子が印象的でした。

インターンシップ~子どもたちとの時間~

子どもと関わるうえでの注意点を聞いたあとに、インターンシップを開始しました!

名札とエプロンを手に、いよいよスタート

はじめに行ったのは名札づくりとエプロンの着用。初対面の相手に名前を覚えてもらうことは、交流の第一歩。学生たちは少し緊張しながらも、お互いに名前を確認し合い、子どもたちと向き合う気持ちを整えていました。

オープンと同時に、子どもたちが次々と来店

開始時刻になると、「こんにちは〜!」と元気な声とともに子どもたちが続々と集まってきました。慣れた様子で受付を済ませ、すぐに室内を走り回ったり、ゲームを始めたりと、それぞれが自然体で過ごし始めます。

思い思いの時間を過ごす子どもたち

ゲームに夢中になる子や、鬼ごっこで走り回る子など、にぎやかな光景が広がっていました。宿題を進める子もいて、まさに“食堂と学びと遊び”が共存する場所だということを実感します。

学生たちも積極的に声をかけ、一緒に遊ぶ

最初は少し戸惑いながらも、学生たちは勇気を出して子どもたちに話しかけ、遊びに加わっていきます。子どもたちの笑顔に触れながら、自然と距離が縮まり、あちこちで笑い声が響きはじめました。

たっぷり遊んだあとは、栄養満点の手づくり料理

この日のメニューは、肉じゃがやミートボールなど。メニューは、子どもたちの健康を考えた手づくりの料理が並びました。食材にもこだわり、栄養バランスとおいしさのどちらも満たされた内容です。

「おいしい〜!」の声と笑顔がいっぱいに広がる

もりもりとごはんを食べる子どもたち。口いっぱいに頬張りながら「これ好き!」「もっと食べたい!」と満面の笑顔を見せてくれました。

学生たちも一緒にごはんをいただきます

学生たちにも食事がふるまわれ、「想像以上においしい…!」と感動の声。料理だけでなく、こうした場のあたたかさに触れることで、子ども食堂の価値をより深く体感していました。

最後まで笑顔いっぱいのひとときに

食後も子どもたちは元気いっぱい。学生たちもすっかり打ち解け、思いきり一緒に遊んで、笑って、また笑って――。最後まで明るくにぎやかな時間が流れていました。

インターンシップ~片付け~

子どもたちが無事に帰宅したあとは、学生たちもスタッフとともに片付け作業へ。使い終えた食器を洗い、机や椅子を拭き、おもちゃを元の場所に戻していきます。

活動の余韻が残る中で、静かに整理されていく空間。学生たちは最後まで丁寧に動き、ただ「関わる」だけでなく、「支える側の目線」も自然と身についていったようでした。

子どもたちと過ごした時間だけでなく、その場を整える一連のプロセスまで体験することで、地域に根ざした活動の一端を深く理解する貴重な一日となりました。

インターンシップ~撮影~

今回のインターンシップでは、撮影も学生に体験してもらいました。本格的な機材を使用した撮影では、「想像以上に長時間機材を持ち続けるのは大変だった」「ピントを合わせるのが難しい」「一瞬の良いシーンを捉えるのが課題だった」など、実際に試行錯誤を重ねながら取り組んでいただきました。

※本記事に使用している写真の一部は、学生が撮影したものです。

まとめ

今回のインターンシップを通じて、学生たちは子ども食堂という現場の“今”に触れ、単なる福祉的な支援では語りきれない、地域の中で生きる人々のリアルに出会いました。

一緒に遊び、食べ、会話をし、片付けまで関わる中で、学生たちの視点にも少しずつ変化が生まれていたように感じます。「地域の課題」を知識として学ぶだけでなく、人と人との関係性のなかで“実感”として捉える——。それこそが「finear LAB.」の目指す学びのかたちです。

今後もこの取り組みを通じて、学生と地域、それぞれの気づきと成長が交差する場を広げていきます。

また、インターンシップ後には、学生たちによるレポートの提出と発表を予定しています。レポートでは、以下の観点から現場での気づきや分析、提案をまとめていきます。

・現状把握と観察内容
・発掘した課題
・解決に向けた提案
・今後の展望
・本プロジェクトを通じて得た学び

この発表は非公開ではありますが、学生自身の学びをより深めるとともに、子ども食堂が直面する課題の解決に向けた実践的な提案を行うことで、現場への還元・支援にもつなげていく予定です。

●インターンシップ先
名称:地球の子供食堂と宿題Cafe ひがしく店
住所:新潟市東区下木戸1丁目4-1 東区役所庁舎3階
営業時間:16:00〜20:00
定休日:水曜日
HP:https://npolilymarrys.wixsite.com/higashiku
Instagram:https://www.instagram.com/kodomohigashiku/

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https://www.instagram.com/finear_press/?hl=ja